先般、NHK衛星第2で、映画“Jesus Christ Superstar”を放映していましたね。皆さんはごらんになりましたか。
映画のなかで、ピラトが主を尋問する場面があります。
彼はユダヤ人をなだめるべく、主の鞭打ちを命じます。そのとき、ピラトは鞭打ちにあわせて回数を数えるのですが、1から始まって39で終わっています。
なぜ、39回なのでしょうか。
これは申命記の次の言葉によっています。
「もし、有罪の者が鞭打ちの刑に定められる場合、裁判人は彼をうつ伏せにし、自分の前で罪状に応じた数だけ打たせねばならない。40回までは打ってもよいが、それ以上はいけない。それ以上鞭打たれて、同胞があなたの前で卑しめられないためである。」(申命記25:2〜3)
ところで、パウロは言っています。
「苦労したことはずっと多く、投獄されたこともずっと多く、鞭打たれたことは比較できないほど多く、死ぬような目に遭ったことも度々でした。
ユダヤ人から40に一つ足りない鞭を受けたことが五度。鞭で打たれたことが三度、石を投げつけられたことが一度、難船したことが三度。一昼夜海上に漂ったこともありました。」(コリント後書11:23〜25)
ユダヤ人は、40回の鞭打ち刑を執行するとき、申命記の破戒を恐れ、カウント誤りを考慮して、常に39回にとどめたのです。
(もっとも、映画ではローマ人が鞭打ちを執行しているのですから、申命記を遵守する必要はないのですが...)
(1998.10.26)